住宅や商店に加え、学校や保育所などが立ち並ぶ繁華街の真ん中で発生した発砲事件。現場のマンション周辺には、ヘルメットや防護服に身を固め、盾を手にした県警の特殊班が集結して突入の機会をうかがうなど、物々しい雰囲気に包まれた。「人通りの多い白昼に発砲事件なんて」―。穏やかな秋の日差しを切り裂いた銃声に、近隣住民は声を震わせた。
パン、パン、パン!
現場マンション4階に住む土木作業員男性(61)は、立て続けに乾いた銃声を3回聞いた。県警によると、現場の不動産会社応接室は以前、指定暴力団稲川会系の仮事務所として使われていた。男性は「これまでにも何度かけんか騒ぎがあったが、発砲事件まで起きるとは」と言葉を失った。
近くに住むパート女性(40)は事件直後、マンション前の路上で倒れている男性3人を目撃。「腹を撃たれたようで、白のTシャツが真っ赤だった」と証言し、「小学生の娘がいるので、近くでこんなことがあると恐ろしい」と表情をこわばらせた。
事件があったのは、小学生の下校時間帯。現場から約200メートル離れた市立日枝小では、事件の一報を受けて教職員を緊急招集。職員が街に出て下校途中の児童のもとに向かい、現場付近を通らないよう誘導したり、安否確認のため父母に緊急メールを送信するなど対応に追われた。幸い、巻き込まれるような事態にはならなかったが、遠藤久美子校長は「地域の安全を脅かす事件。父母や地域と連携して子どもを守る手だてを考えたい」と話した。
現場近くのビルには保育園も入居。事件を知った園は、出入り口のシャッターを閉め切った。1歳の息子を預けていた会社員女性(28)は約4時間後に迎えに訪れ、「インターネットで事件を知り仰天した。子どもがとにかく、無事でよかった」と胸をなで下ろした。
南署によると、現場近くの国道16号(鎌倉街道)は発生から約2時間にわたり約300メートル区間が通行止めとなり、周辺道路も交通規制された。市営地下鉄吉野町駅も、一時出入り口のシャッターを閉鎖した。
生活に密着した場所に潜んだ暴力団員による発砲事件に、近くに住む主婦(75)は「(現場は)数年前から黒塗りの車が横付けされ、怖そうな人が出入りしていた。みんながあまり近づかないようにしていたが、買い物に行くときなど、横を通らなければならないこともある」と、恐怖を訴えた。
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