昨年暮れ,四谷荒木町へ出かけた。四谷三丁目の交差点から新宿通りを四谷の方へ歩き,みずほ銀行の横の細い道を左に入る。ちょっと暗い下り坂を100メートルほど歩き,このあたりか,と見当をつけて右手の路地をのぞくと白地に太い字で書かれたその店のカンバンが眼に入った。 この界隈は「三丁目の夕日」の時代の町がほとんどそのまま残っている。くだんの店は古い木造で狭い庭の敷石を踏んで玄関の引き戸を開けると,女中さんが迎えて部屋へ案内してくれた。不思議なつくりの建物で,いったん廊下を...
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