歳とりて 事新たなる 想出は 人の情けの 受けし数々」――。新年などの改まった機会になるとよく思い出すのが、母が詠んでくれたこの歌です。 兄で創業者の勲(現会長)や私たち兄弟に母親は、事あるごとに自作の歌を贈ってくれました。菓子箱の裏などに人生訓のような歌を書き留め、東京で働く私たちに上京の機会に渡してくれたのです。 我が家は貧乏でした。家族は六男一女の大所帯。父は会社員で田圃がありませんから、米は作れない。わずかな用地に野菜を作って生活していました。 正...
歳とりて 事新たなる 想出は 人の情けの 受けし数々」――。新年などの改まった機会になるとよく思い出すのが、母が詠んでくれたこの歌です。 兄で創業者の勲(現会長)や私たち兄弟に母親は、事あるごとに自作の歌を贈ってくれました。菓子箱の裏などに人生訓のような歌を書き留め、東京で働く私たちに上京の機会に渡してくれたのです。 我が家は貧乏でした。家族は六男一女の大所帯。父は会社員で田圃がありませんから、米は作れない。わずかな用地に野菜を作って生活していました。 正...