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 日本各地の漁村や農村を歩き回り、地方がもつ可能性に目を向けた民俗学者宮本常一の代表作「忘れられた日本人」を、鹿児島県南九州市川辺町の農村に暮らす米国人著述家ジェフリー・アイリッシュさん(47)が英訳した。米国で今秋出版する。

 訳書は欧米やアジア諸国でも販売予定で、アイリッシュさんは「ありきたりのイメージとは違った日本人像が描かれており、海外の読者にとっては『忘れられた』より『知られていない』の方が正確かも。普遍的な人間の魅力を読み取ってほしい」と望んでいる。

 宮本の関係資料を多数所蔵する周防大島文化交流センター(山口県)によると、「忘れられた日本人」がまとまった形で英訳されたのは初めて。1960年刊行の同書は、愛知や高知、長崎など主に西日本各地で宮本が出会った「無名の老人」たちの語りを通して、当時の風俗や共同体のあり方を浮き彫りにした。

 アイリッシュさんは「宮本先生が描いた日本は、失われつつ生きながらえている。たくましくユーモアのある人物たちの話を読み返すたび、人間というものをほれ直す」と作品の魅力を語った。

(共同通信社)

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