社会 県内でがけ崩れが激増している。ことし四月から六月までの発生件数は平成に入った一九八九年度から最多の六十五件で、前年度同期比(六件)の約十一倍にも上る。がけ崩れを引き起こす大きな要因となっているのは降り続いた雨。横浜地方気象台によると、三~五月までの県内の降水量が一八九七(明治三十)年の統計開始以来、過去最多。県は台風シーズン前のがけ崩れの増加に苦慮している。
四月から三カ月間の発生件数を市町村別にみると、切り通しの多い鎌倉市が二十三件で最多。次いで横浜市(十九件)、横須賀市(十二件)、三浦市(五件)の順で三浦半島での発生が目立つ。人的被害はないが、一部破損など家屋被害は三件あった。
平成に入って三カ月間の発生件数が最も多かったのは一九九八年度の四十五件だっただけに、県砂防海岸課は「ことしの件数は突出していて異常な数」と話す。
六月二十四日には、横須賀市ハイランド一丁目の斜面で、約四十八立方メートルの土砂が崩れ、付近の住民五世帯十六人が近くの公民館などに自主避難した。降り続いた雨の影響で地盤が緩んだとみられる。
横浜地方気象台によると、三~五月の降水量は七〇四・五ミリを記録。これまで最多だった一九五六年(六六二・八ミリ)を大幅に上回った。同気象台は「四月以降、本州南岸を東進した低気圧や台風の影響を周期的に受けたため」としている。
県は二〇〇八年度、急傾斜地対策を推進するため、県単独工事の事業費を前年度より約三億二千万円増額したが、台風シーズン前の予想を上回るがけ崩れの増加に財源確保にも頭を悩ます。
県砂防海岸課によると、発生を未然に防止するための防止施設などの整備率は、傾斜度三〇度以上などの「急傾斜地崩壊危険個所」(二千五百十一カ所)で43%。一つの急傾斜地に必要な工事費は平均二~三千万円という。
同課は「危険度を考慮し優先順位をつけて施工しているが約五年間工事を待っている住民もいる」と説明。「ハード面での対策をさらに進めるため、財源を確保していくしかない」と話している。
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