社会 県警が地域の交番などに勤務する若手警察官の実力向上に本腰を入れる。「団塊世代」大量退職への対策で、独自に考案したスキルアップシートを用い、最長一年間で地域警官に必要な基本技能の習得を目指す。習熟度を五段階で評価する全国でも珍しい“通信簿”による育成策だ。
主な対象者は、警察学校での教養期間を経て各署の地域課に配属されている四年目までの若手。五月に全署に設置したスキルアップ委員会で選定し、現在約九百七十人が指定されている。
スキルアップシートには、交番勤務に欠かせない技能として▽職務質問▽容疑者逮捕▽少年補導▽交通事故処理―など十五項目をピックアップ。各項目について「できない」から「自信を持ってできる」まで五段階の評価を設け、全項目でおおむね四(一人でできる)以上の評価を得られれば指定を解除し、一人前と認められる仕組みだ。
指導役は各署で現場の実務に精通するベテランの警部補や巡査部長。若手警官と共に行動し、職務執行の模範を示し、アドバイスする。現役時に捜査部門で活躍し、昨年から捜査技能の「伝承官」として各署に配置されている県警OB「捜査実務指導嘱託員」も指導に当たる。八月に六署をモニター署に指定して効果を検証し、本格運用がスタートした。
県警が質の高いお巡りさん育成を進める背景には、団塊世代(一九四七~四九年生まれ)の大量退職に伴う急速な世代交代がある。警務部によると、〇七年以降だけで約五百人が定年を迎えた。今後十年で全体の約三割が入れ替わる見込みだ。
地域部は「若手警官が増え、従来の『習うより慣れろ』式のやり方では目が届かない」と説明。「組織として共通の育成システムを整備することで若手の目標が明確になり、成長過程も把握できる。若手の即戦力化は急務で、頼りになる地域警官を数多く育てたい」としている。
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