社会裁判 二〇〇六年春に川崎市内のマンションで相次いだ投げ落とし事件で、殺人、殺人未遂などの罪に問われた川崎市麻生区、無職今井健詞被告(44)の論告求刑公判が二十五日、横浜地裁(木口信之裁判長)であった。検察は「病歴や犯行時の行動、精神鑑定などを総合すると、被告は軽度のうつ病だったことは認められるが、完全責任能力は有していた」とし、「無差別な通り魔殺人で、危険な犯罪性向に基づく犯行。矯正可能性を認めがたい」などと無期懲役を求刑した。弁護側の最終弁論が十二月二十五日に行われ、結審する見通し。
検察は「被告は犯行の前後、軽いそう、うつ病の併存状態にあった可能性が高く、疾患が犯行に及ぼした影響は著しいものではなかった」とする医師の精神鑑定結果を踏まえた上で、「冷静に相手を選び、巧妙な方法で呼び止めて犯行に及んでいる。犯行直後も極めて合理的に行動している」として、同被告に責任能力があったと強調。
また、警察に出頭してきたことは「打算的な動機による自首で、出頭後も責任を軽くしようと虚偽供述を繰り返している」などとして情状酌量にはあたらないと述べた。
さらに「自分の子供も投げ落とされるのではないかとの強い不安を生じさせるなど、社会的影響の大きさは計り知れない。死刑も考慮すべきだ」と厳しく指摘し、「被告の精神疾患の影響をある程度は考慮せざるを得ない」として、無期懲役を求刑した。
論告などによると、同被告は〇六年三月二十日昼、多摩区のマンション十五階から市立小三年の男児(9)=当時=を投げ落とし、死亡させた。また同二十九日午前九時半ごろ、同階から女性清掃員を投げ落とそうとして未遂に終わり、同十時ごろにも、麻生区のマンション十二階通路で市立小四年の男児を投げ落とそうとして未遂に終わった。
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